この韓国KICサイトで発表された「ドニーのインライン技術解剖」は「Fall・Push・Recovery」の3点から「效率的なプッシュ」を論理的に解説したモノです。私自身の理解力不足で難解な部分もあろうかと思いますが、多少でも皆様の疑問が晴れれば幸いです。また、誤訳など間違いにお気づきのことがあればご指摘ください。全4編を1ページに収めるとGIF動画などで重くなり過ぎるため、2ページに分けさせていただきました。 フォール ( Fall ) アマチュア・インラインレーサーの関心を引くのが、体力の消耗を抑えながら、より強い推進力を効率的に得る方法です。その為に重力を最大限利用し、それを推進力に変換する動作がフォールです。身体が重力によって下に落ちようとする力をFallの動作によって横方向の力にするのです。 上級者は状況によって二つの推進力の割合を自由に調節することができるのですが、この体重を活用するFall未理解の初級者であればあるほど推進力を脚の筋力に頼るのです。Fall 動作を解いて言えば重心(Center of Mass)が起点(Base of Support)から横方向に遠く倒れる直前に位置エネルギーが最大運動エネルギーになるのです。すなわち 重心(骨盤)が大きく移動すれば大きい推進力を得ることができるし、 これでなければ体重移動といえません。 次に典型的な初級者の動きと、Fallを利用した動作をGIFアニメで視覚的に表現した動画です。緑が重心、赤が右足, 青が左足を表しています。二つの動作の違いは中央に足を下ろしてプッシュをするか、それとも最大限着地を遅くし重心移動を大きく伸ばし大きい推進力を得るかです。
Fall動作を理解ができたら、次の動画を通じて実際走行での Fallを確認してください。
出来るだけ着地を遅そくして身体が倒れる力をセットダウンする足に集中させる、ちょっと誇張されたエディーの走行フォームを見れば Fall を容易に理解できるでしょう。これがエディーがマラソンなど長距離スピード競技に相応し、特に単独で走るとか先頭で走る時に最小限の体力でスピードを維持することができる姿勢なのです。 二番目の主題にプッシュの方向を選択した理由はプッシュ方向が長い間論争の課題になり、その過程で固定観念が育ち望ましくない影響が波及していると思うからです。效率的なプッシュ方向は確かに存在するでしょう、しかし、この方向(角度)は単純に足の動きによるものでなく多くの動作が相互に影響して作り出した結果であり、速度によって変化するスケーティングスタイルや身体的條件によっても変わるようになる。よって、その原理と過程を省略して単純にプッシュの方向のみを論じることは望ましくありません。 上級者たちの場合、プッシュの方向自体に対して大きい意味を置かない。十分な加速を得ることができるのか可否が重要なことであり、どんな瞬間にどの方向に押さなければならないかは経験と感覚と判断するようになるのです。 ここで、その右3時/左9時方向、または左右後方45度方向という両方の固定観念が始まった原因を明らかにし、これを脱し新しい視点で眺めることができるきっかけにしたいと思います。 プッシュ方向に対する固定観念 伝統的なプッシュの方向は45度後方へ押すです。しかし教習ビデオは真横方向へのプッシュを説く、また Liz Miller のコラムでは 左2時/右10時方向に押しなさいと説明する。ところが何年間も通ったワールドチームのクリニックでは45度後方へ押す・・・伝統的な方式を教えている。そして近年のチーム成績が最高なのだからもっと頭が混乱するばかりです。
また一部ではプッシュするうちに前進するから 45度方向のように錯覚して見えるので、選手には右3時/左9時方向を意識するよう指導したりするのですが、望ましいのは果してどちらなのか答を捜してみることにしましょう。 プッシュ方向と推進力の係わり合い プッシュ方向による推進力を物理的に考察する前に、先にプッシュの方向を定義してみましょう。一般的にプッシュの方向は時計と角度の二つで表現します。 この場合に角度で現わす時のプッシュ方向は進行方向の垂直方向を基準にし(対角線後方へ押す場合が45度)。またフレームの方向は進行方向を基準にするのが一般的です。このような慣例を土台にしてプッシュの方向に影響を与える要素である足の角度とフレームの角度を定義します。 解釈を容易にするためにスケートの性質を考えてみると、スケートはフレームの垂直方向に作用する力量が推進力を生む。図ではフレームに伝わる垂直方向の力量と様々な方向からフレーム加えた力量の効率を示した物です。つまり力の損失を最小にするためにはフレームに垂直方向に力を加えなければならないのです。従って定義した足の角度とフレームの角度が似ているほど力を伝達する点で有利です。このような特性を基本にして、ここで便宜的にフレームと足の角度が同じだと仮定し(実際走行でも大きい差を発生しない)、プッシュの方向を足の角度で表現しようと思います。
プッシュによる推進力は後方へ押すほど大きくなって側面で押すほど小くなる。それならいわゆる100%プッシュは可能だろうか?これは停止状態でプッシュする場合だけで、速度が早くなるほど後方へ押す力は相殺されて横に押す力だけが推進力として作用するのです。例えば時速 30km/hで滑りながら後にプッシュしようと思えば空振りをするだけで、足を後に動かす速度より地面が流れる速度がもっと早いからです。したがって速度が上がるほど横方へ押すことが(足の角度の小さなことが) 效率的になります。以後、文中で「後に押す力が完全に相殺される速度」を「限界速度」と言います。(この後でも横に押す加速が可能だから限界速度が最大速度ではありません。) 足を動かせる速度は個人差があり限界速度が正確に時速何キロか断定出来ません。よってその瞬間、最大推進力を発生するプッシュの方向は走行速度と身体条件によって変わるということです。 速度の変化(停止から限界速度まで)によって最大推進力を発生させるプッシュ方向の変化は次の図です。速度が上がるほど效率的なプッシュ角度が小くなる傾向を確認することができる、また限界を超えるれば横に押してたとしても、やはり效率的ではないことが分かる。 上結果から停止状態から限界速度までの有効なプッシュ方向を導き出せる。実際走行の時にはこの限界速度より早い速度を出すことができるからプッシュ角度はもっと小くなるでしょう。このように速度によってプッシュの角度が小くなる傾向を確認するためにだけ物理学的にアプローチしてみました。 実際走行のプッシュ方向: プッシュ方向に影響を与えるまた他の要因 前書きで説明したようにプッシュの方向は単純な足の動きではなく多くの動作が影響を及ぼして作り出した結果だから物理的に解釈するには限界がある。 実際走行でプッシュに影響を与える他の要因をよく見てみよう。まずプッシュを始めて終わるまでプッシュの方向は変わる。下記の図はFallに対して素晴らしいデモを演じてくれたエディのプッシュ方向だ(動画で抽出した結果)。0度で始めて25度まで大きくなってから20度でまた減少することが判る。終わりにプッシュ角度がまた小くなることはより長い時間プッシュをするための動作で「カービング(carving)」と呼んだりする。
次にプッシュが終わると同時に逆の足を着地させるセットダウン動作による場合もかんがえられる。上級者であればあるほどセッダウンまで加速可能なプッシュを加え続けるから、最後のプッシュ角度が大きくなることがある。パスカルのセットダウンとその瞬間のプッシュを注意深く観察してください。(ダブルプッシュ気味ですが) パワーボックスは誤った理論か? 実際走行でのプッシュ方向は私たちが分かっていたパワーボックス理論とは非常に違うことを分かった。それならパワーボックスは誤った理論なのか? これを論ずる前に先にパワーボックスが何なのか確認して見よう。パワーボックスとは “The Power Box is a zone around the body in which the skates can affect the push with maximum power”、「パワーボックスはスケートが最大の力でプッシュに影響を及ぼす身周りの領域」 という事です。また「科学的実験結果ではプッシュ力が最大の瞬間はパワーボックスの中程辺りでウィール全体が接地している時」の条件が付く。 すなわち、パワーボックスはプッシュの方向を説明するためではなくプッシュの力が最大になる瞬間を説明するためのモノで、この瞬間はすべてのウィールに最大の力が加えられる瞬間だ。そして、このような原理をベースに提案する練習方法が「横に押す(lateral push)」動作で、言い換えればすべてのホイールでプッシュする練習なのです。 結論的にパワーボックス理論は間違っていたのではなく、パワーボックスを説明する画面と関連した練習方法を間違って理解していたのです。 結論 今まで效率的なプッシュをに対して調べた結果を整理してみれると、效率的なプッシュ方向と言うのは決まっている角度ではなくウィール全体を利用してプッシュするための方向なのです。言い換えればウィール全体を利用してプッシュする時自然に現われる角度である。 したがって、練習で速度にかかわらずウィール全体を使って横方向にプッシュ(Lateral Push)できる能力が重要なのです。 自らまともにプッシュをしているかどうかを知りたければ、プッシュ動作で膝が完全にひろがった瞬間にホイールが全部地面に接地しているか確認してみ下さい。また、このような観点で下のパスカルのプッシュをよく見て下さい。 説明したFall動作にちょっと混同する余地があったようです。「重心を落とす動作が重要だ」と説明したが「上体の移動が大きいことが良い」という解釈が可能だったのだ。多くの初級者たちがFallに対する感じを理解することができないから、理解し易くするための説明であり過度な上体の動きは当然望ましくない。今回、説明しようとした内容も推進力を最大で発生させる感じを理解するように役に立てようとしたので、角度に対する固定観念を捨てようという意味が「いい加減にいいかげんに押そう」という意味ではないことを強調しながら結論とする。 つづく・・・ (NEXT) 原本リンク:Dr.Donny's Blog: Innovate or DieGIF動画を多用している為に動きがスローに成っているようです。各画像にリンク貼りましたので気になる方は再確認してください。。 |
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